シャープ 『WG-N20』 紙製のノートに取って代わる日を予感させる電子ノート

2014年1月6日

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(左から)シャープ『WG-N20-W』(Amazon.co.jpで送料込み9,545円:確認時点(以下同様))、『WG-N20-B』(送料込み9,545円)。

このシャープ『WG-N20』は、タッチペンで手描きの文字を入力したり、絵を描くことのできる電子ノートなんだ。

まず、液晶画面について、6インチ(800×600ピクセル、メモリ液晶)のモノクロ16階調で、スタイラスペンで入力することのできる感圧式になっている。

主な仕様は、ノートを2000ページ分保存することができて、バッテリーが約1カ月間持つ(1日に書込み40分&表示80分の場合)こと。

次に、ノートの記入は、黒色のペンかグレーのマーカーでするんだけど、それぞれ、太・中・細の三通りの太さを選ぶことが出来る。そして、消しゴムもペン用とマーカー用で個別に用意されているんだ。

手描きで文章を入力するにしても、あるいは絵を描くにしても、基本的に使いやすい作りになっている。

液晶タッチペンの仕様については、タブレットやスマフォのように指や手が触れて反応することはなくて、スタイラス(あるいは爪の先)にだけ反応する作りになっているのが便利。なお、タッチペンやカバーに不満がある場合は、市販のものを流用することができる。

それで、この製品はノートの雛形(フォーム&リフィル)に手描きで入力していくという形の使い方になるのだけど、そのフォームをあらかじめ9種類(方眼・スケジュールなど)内蔵していて、また、シャープの製品サイトには、追加できるフォーム&リフィル(週間計画表、ドット方眼、数字パズル他)が用意されているから、ダウンロードして追加することが出来る。

参考:電子ノート 追加コンテンツダウンロード(シャープ)

また、プライバシー保護他の為に、暗証番号で画面をロックする機能が加えられてもいる(WG-N10(前機種)は画面ロック機能なし)。

ところで、液晶が暗い(薄暗いような部屋では見えない)との声があるんだけど、それは、ある程度はバッテリーの持ちの良さとバーターの構造になっていると感じるんだ。

例えば、運営者の所有している Kindle Keyboard は、この製品と同じ様なEインクの液晶(6インチ、600×800ピクセルの16階調、バックライトなし)を使っているのだけど、このKindle は、(Wifiや3G回線を使用しても)普通に使っていて2週間前後は持つ。

それがバックライト付きだと持ちが半減し、サイズもより厚くなるのかと感じるけど、実際にはそうでもなくて、新しい Kindle Paperwhite の方にはタッチパネルとライト(LED式)が内蔵されていて、基本的に電池が8週間持つし、3GかWiFiをオンにした状態でライトを点けていると、そうでない場合よりも電池の持ちが3割くらい悪くなるに過ぎないんだ。更に、サイズも重さも旧機種より小さく・軽くなっている。

だから、バックライトの内蔵とバッテリーの持ちを両立させることは、次の機種では充分に可能なんだと思う。

もっとも、運営者所有の Kindle はバックライトが付いていないけど、蛍光灯の点いた室内などの紙の書籍を読める環境であれば何の問題も生じていないので、もしも液晶が暗く感じた場合には、ブックライトを購入するなどして紙の本を読む場合と同じ環境を構築すれば解決するんじゃないかな。

他の機能については、PCにデータのバックアップを取ったり、ページ単位でデータをBMPとJPEG画像形式で書きだすことができる。また、逆にExcelで作成した表をこの製品で使うようなことも可能。そして、その出力したJPEG画像は、コンビニのマルチコピー機でプリントすることが出来るし、コンビニでは、この製品の画面をそのままコピーすることもできるんだ。

ところで、Kindleには、“Send to Kindle”や“Push to Kindle”の様な便利なソフトやプラグインがあって、テキストやPDF形式等の文章、およびネット記事をKindleに送信できるようになっていることを考えると、この製品の場合は、WifiかBluetoothで端末からPC側に、つまりKindleとは逆方向に、入力したノートのページをPCに送信できたり、ネットワークを介してプリンタに直接出力できたりしたら、より便利かも。

色々と書いたけど、紙のノートは冊数が溜まってくるとかさばるし、更にメモを取った紙や資料としてコピーした用紙も大量に混ざってくると、どれが何処に行ったのかわけがわからなくなってくるんだ。

それが、文章の入力をポメラで、読書を電子書籍端末(Kindle、ソニーのReaderKoboKobo Glo他)で、ノートやメモは本製品や電子メモ端末で、辞書は電子辞書で、という風な枠組みを作っていくと、とてもすっきりすると感じる。それは、ノートやメモが散逸しないという意味においてそうだし、また、整理整頓やスペース的な面でもそう。

そして、本製品のようなシンプルな機能のアイテムを目にすると、PCやタブレットは何でもできるように見えるけど、実は器用貧乏なんじゃないの? と考えさせられもする。

以上、将来的に学校教育で、全ての生徒のノートが電子ノートに置き換えられる日の到来を予感させ、また、現状で充分に購入する価値を感じるガジェットの話。

製品の仕様(WG-N20)

形名 WG-N20
表示 6型、600×800ドット、メモリ液晶
外形寸法 幅111×奥行155×厚さ9.9mm(本体のみ)
質量 約210g(本体のみ)、約275g(専用カバー、スタイラスペン含む)
電源 リチウムイオン充電池
(※お客様による交換はできません。)
使用時間 約30日(ノートの記入40分、ノートの表示80分で1日2時間使用の場合)
付属品 スタイラスペン、専用カバー、microUSBケーブル

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